片仮名文字のはんらん


       
わが国には漢字というせっかくの表意文字があるのに、
いつのまにか聞いたこともない英語、仏語などを
もとにした片仮名文字に変えてしまう、と
渡邊好造氏は、ある文章のなかで嘆いている。


わたし自身も危機を募らせているひとりである。


言葉を意味不明にし、都合のよい解釈をする。
いかにも目新しく、恰好よく見せかけているだけではないか。


以下、氏の文章から引用してみる。


 [片仮名文字=日本語なら⇒本当の裏の意味]


1) カジノ=博打場、とばく場⇒堂々とてら銭をとる公共の超法規的
  賭場施設。もうすぐ日本にも。


2) シェフ=優秀調理士⇒板前、板長、料理人、包丁頭なら目の前で
  調理してくれる。シェフは命令するだけ。


3) タレント=芸人⇒ただのお笑い芸人なのになんでも完全にこなす
   能力がありそうで、照れず厚かましい。


4) コンシェルジェ=ホテルの接客責任者⇒客がどんな悪辣なことを
  言ったり、したりしても我慢できる接客係。


5)  ファイナンス=金貸し⇒利息も安く、簡単に貸してくれ、取立ても
  厳しくない善意の金融業者。

6) コンプライアンス=規定・法律を遵守した行動⇒規定・法律の抜
  け道をどこに見つけるかが秘訣。


7) マニフェスト=公約⇒公に約束はするが、後で訂正自由。
   最近の貼り薬”膏薬”は剥れないのに。


8) アジェンダ=政策課題⇒期限がなく実行希望の政策。
   後で間違いなく"唖然とする"。

  
9) タトウ-=刺青⇒やくざのいれる全身のモンモンとは違い、
  体の一部に化粧するような軽い感覚。


10) エッセイ=随筆⇒タレントが「エッセイ書きました」は、
   起承転結のない日記、手紙、メモなどの駄文が多い。


11) コラボレ-シヨン=協同競演作業⇒過去の栄光をひきずる者同士
   の再生競演策。


12) レシピ=調理法⇒美味そうに感じさせる秘密の調理法。
   美味くい時の表現”この味は玄人好みですね”


13) パフォ-マンス=表現、才能、処理能力⇒派手な言動、
   ごまかし、でたらめ演技。


14) リベンジ=雪辱する⇒仇討ち、復讐、返り討ち、闇討ち、暗殺。


15) ホ-ムレス=住む家のない哀れな人⇒道路や公園を不法に占拠す
   る同情の余地のない浮浪者、乞食。

16) バッシング=たたく、攻撃⇒高収入、好待遇に見合う行動、
   成果をあげないとやっかみで眼の敵にされる。


17) パテシエ=製菓技術者⇒砂糖とクリ-ムをたっぷり使い、高血圧
   や糖尿病を忘れさせてくれる菓子職人。


18)ボランテイア=時間と能力の無償提供奉仕⇒作業量に見合った経
  費のいらない、善意に期待した労働。


19) アドバイサ-=助言者⇒野球賭博や脱税など、楽して儲かることを
   教えてくれる人。


20) バックパッカ-=リュックサックを背負う旅人⇒金のない貧乏の
   ふりをして、安上がりの旅行をする人。


21)リーズナブル=価格が手ごろなさま⇒品質が良く、より安いのを
  手ごろというが、つい騙されやすい価格。


22) キャンペーン=企業・団体の目的をもった宣伝活動⇒消費者のた
   めと、みせかけて、自社の販売拡大が狙い。


23) アウトソ-シング=外部発注⇒下請け会社に無理やり安く発注し、
   資金が少なくてすむ経営方法。


24) アシスタント=助手⇒安い給料で便利にこき使える我慢強い見習
  い人で、「今にみておれ」と歯噛みしている。


25) エコカ-=燃料節約車⇒燃費が安いといわれる高級車で、税金で
   補填してくれるのでよく売れる車。

26) コメンテ-タ-=解説者⇒聞かれたことの3倍以上にしゃべりまく
   ることの出来る人。「そうすね」は失格。


27) カリスマ=教祖⇒一見すると能力ある風で、他人と違うことをす
   る目立ちたがりの超変人。


28) コンテンツ=内容物、中味⇒内容のない、中味のないものでもな
   んとなく見たくさせる。


29) セレブリテイ=話題の人 、有名人⇒親の莫大な遺産を相続した
   だけで、実力があるとは限らない。


30) モラトリアム=(融資金返済)一時停止⇒単なる一時停止なのに
  「もう取らぬ」と全額返済不要と錯覚させる。
 


ハングル文字に統一した韓国では、
漢字の自分の名前が読めない人が現れたという。
中国の物まね商品、商標権侵害を非難したら
「日本は漢字を盗んだ」と開き直った。
その大事な漢字を略字にしてしまう中国は変な国だ。

と口をゆがめている。