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ひゃぁ怖かった!

80歳のMさん宅を訪れた。
前回、年賀状も印刷し終わり、余裕である。
さっそく次の課題にとりかかるべく文書作成に入る。
すべての編集は、あとからまとめて、やるということで
先にベタ打ちを資料に沿ってやってもらう。


ゆっくりローマ字入力で文章を入力していると
玄関のブザーが・・・
こちらはけっこう訪れる人が多いなぁ。
よくチャイムが鳴る。


玄関へ出たMさんが、なかなか戻ってこない。
玄関先で押し問答の様子。
若い兄ちゃんの脅迫めいた声も聞こえてくる。


いま、高齢者をねらう変な輩が多い。
あわててMさんのところに行くと、足をドアに挟み
いまにも入らんとしているではないか。


「わたしは、新聞は読まないのです」と彼女。
新聞の勧誘のようだ。
「取る気持ちになったら取りますから今はいりません・・・」
ていねいに断りを入れると
彼女の言をさえぎるように
「損ですよ!いま取らないと!」
大きな声で怒鳴るようにニイチャンは言う。
「ワタシはもう来ないのですから、取る気になっても間に合いませんよ!」
「いま取らないと損ですよっ!!」
変な理屈である。
なかなか引き下がらない。


「いま要らないと言っているのですから、もう帰られたら?」
「別にあなたが明日来なくとも、こちらは構わないのですから」
わたしが助け舟を出し、言うと
「オネエさん、あんた、誰やねん?」と訊き
「何でそんなツッケドンな物言いをするのか!」と怒られる始末。
「わたしはこちらの家族です、守る義務がありますから」と言うと
「なにかワタシが因縁でもつけましたかっ!」
すごい形相でのたまう。
完全に居直っていて、怖くなった。


とにかく、いま必要ないですからと無理に玄関を閉めて
ニイチャンを締め出すと
またチャイムを鳴らし、「うそつくなぁ!!」
捨て台詞を吐いて引き下がっていった。
家族じゃないのに、と思ってのことだろう。
何と言うことを・・・・


こんな気分の悪い思いをしたのは初めてである。
「最近、こんなのが多いのよ。取り合わないようにしているけどね」
80歳のMさんも気丈夫である。


しかしあのM新聞の勧誘、ヤクザのようである。
その新聞社は、何度もつぶれかかっていると聴いている。
世の中不景気で、若い働きざかりでもあのような
仕事をせざるを得ないのかと思うと気の毒な気もするが
「瀕すれば鈍する」ってこのことかと思うほど
営業のガラが、悪かった。
もっときちんとした教育が必要なのでは?


すっかり興ざめして、ふたりはリビングに戻り
続きを始めたのだけれど、わたしは帰りが怖い・・・。
あのヤクザまがいのニイチャンに会ったらどうしよう、と
落ちつかなかった。
高齢者を食い物にする業者も魚の目鷹の目で
いるとは訊いてはいたが実際、遭遇すると恐ろしい。



さざんか(花富貴)