「ちくちく言葉とあったか言葉」

昨日の夕方「潤平ご一行さま」がやってきた。
エレベータまで出迎えると、潤平とかえでが勝手知ったる
わが家に、飛ぶように走りこむ。
かえでも同じように、足がもつれそうになりながら、跳ねている。
最近なんでも真似る。


過日、息子夫婦と娘夫婦から贈られた還暦祝いの「地デジ」の
エコポイントの処理もあって、娘は訪れた。
テレビに頓着のないわたしは「地デジ」にも無関心だったが
「還暦の祝いに何をしよう?」と訊かれ、甘えることにした。
届いてみると鮮明で美しい。
特に風景などは色鮮やかで映画のスクリーンのように
立体的に見えて、圧巻である。
BSのチャンネルも増え、映画好きなわたしは
予想外にワクワクしている。
ありがとう、子どもたちよ。


ひとしきり礼を言い、潤平たちを傍らで遊ばせる。
ふたりは2歳しか違わないせいか、対等に喧嘩もし仲良く遊ぶ。
ふたりの会話は「ありがとう」や「どーいたしまして」など
おとなのような柔らかい言葉が続く。
へぇ・・上手に育てているなぁと感心していると・・・。


「こらぁ〜!、あンたが悪い!」などと
時々かえでの、やんちゃに大きな声でママの怒声が飛ぶ。
ふだん、わりにきれいな言葉使いのママが荒っぽく言うと
「ママ、ちくちく言葉を使っちゃダメ!!」
すかさず潤平が言う。
「あのねぇ、あンたも、こらぁ〜も、ちくちく言葉なんだって!」
教えてくれる。


ちくちく言葉とは、汚い言葉や、相手を罵るときに使う言葉らしい。
ひゃぁ、幼稚園でこんなことを教えてもらっているのか!
「あと、ちくちく言葉にはどんなのがあるの?」
ばぁばは、訊ねる。


「ボケ〜〜!!」
「知らん〜〜」
「ふーんだ・・・。」
「イヤだ・・・。」
「いっしょに遊べへん!」
なるほど、汚い言葉だ。


「あったか言葉ってどんなん?」
また訊いてみる。


あのねぇ、あったか言葉ってね・・・


「ありがとう」
「どういたしまして」
「おもちゃをどうぞ!」
「貸してくれてありがとう」
「いっしょに遊ぼ!」
「だいじょうぶ?」
「きれいな服だね〜」
相手を気遣う言葉もある。
目をクリクリさせながら一生懸命思い出し、教えてくれた。


なるほど、ばぁばも勉強になった、ありがとう。
4歳児に学ぶことは多い。


子どもは日々成長する、こちらも負けておれない。
小さい子どもたちに寄り添って、大切なことを教えてくれる
彼らのセンセは、潤平たちに絶大な人気らしい。
ありがとう、これからもよろしくね。