危機管理

3歳の女児がトイレの中で誘拐され、殺害されるという
痛ましい事件がまた、起きた。
スーパー内でのあっという間のできごとらしいが
女の子は両親と兄弟揃って買い物に来ていて、
ひとりでトイレに行ったことが発端になっている。


犯人は20歳の学生、逮捕されている。
いったいどうしたことか・・・。


小さい子どもが身近にいるわたしにとっても、人ごとではなく
事件のむごさ、家族の心情に、胸が締め付けられる。
女の子のご冥福を祈りたい。


しかし一方で、3歳の女の子をどうしてひとりで
トイレに行かせたのだろうか、との思いもある。
まだ3歳なら親がついていくべきではないのか。


わたしは娘たちに、危機管理に関して声を大にして注意を促している。
幼い子どもだけにしない、いつ何が起こるかわからないから
という強い危機意識を常に持つことを言い続けている。


娘夫婦もそのことには慎重である。
ふだんのゴミだしでも、車での買い物ですぐ済む用事でも
子どもだけ、部屋や車に置くことはぜったいしない。
小さい子どもがいる家庭では、雨が降っても寒い日でも
親の行動にくっついていざるを得ない。
これらは当たり前のことである。
自転車に子どもを乗せて携帯メールを打ちながら走る
他の母親を見て「恐ろしいわ〜」と驚いてもいる。
危機管理、想像力の欠如である。
いまの行動があとどのような結果になるか
考えていないように思える。


過日、潤平たちと大型のショッピングモールに行ったとき
買い物の途中で潤平がトイレに行きたいというので
ついて行ったが、なんと彼は男性トイレに入るという。
つい最近までママと一緒のトイレを使っていたのに。
トイレの中で待ちたいわたしは、女性用に入ることを進めるが
「男の子はこっち」と、言うことを聞かない。
幼稚園でしっかり躾られているらしい。
近くにある待合室を指差し「ばぁばは、そこで待ってて!」と言う。


冗談じゃない。
「ちょっと目を離したすきに・・・」ということがある。
ばぁばは万難を排する。
男性用トイレに入った潤平が出てくるまで
気が気ではなく、時どき外から声をかけて確認する。


日常のささいなことが、大きな危険にさらされることがる。
特に今はなんでもありの時代だ。
悲しいけれどひとを信用できない。
少しの危機管理意識が、子どもを事故や事件から守ることができる。
親は、幼児からいっときも目を離してはならない。