貧すれば鈍する?

さほど忙しくもないのに、気持ちはせわしない。
内職程度の仕事も昨日で終わりホッとしている。
ぼつぼつ迎春準備をしよう・・・



年末を終えると、新春の幕開けである。
新年度に向けて諸々が動き出す。
就職活動を通過した新人社員も胸ふくらませて、
その時期を待ちわびていることだろう。


運よく正社員に採用されたとしても、一筋縄ではいかないことを
過日、Y紙が報じていた。


ブラック企業」という落とし穴があるそうだ。
働かされ方が異常で、とてもじゃないが長く勤められない会社のことをいう。


東京などで若者の労働、生活相談に乗っている
NPO法人の川村氏は実例をもとに
代表的なタイプを三つ挙げている。


①選別排除型=社員試用の期間に長時間残業を強いる「予選」を
行い、大半をふるい落とす。


②消耗試用型=徹底的にこき使い、からだを壊すか
うつになって、自分からやめるよう追い込む。


③秩序崩壊型=アニメのものまねの強要、会社のゴミを自宅に
持ち帰らせるなど、理不尽な命令を上司が乱発する。


さらに不払い残業、暴言、暴力、セクハラ・・・
労働市場が圧倒的な買い手優位になり、代わりはいくらでもある、
という状況を背景に、就職活動に勝ったはずの若者まで使い捨てにされる。


これは特殊なケースではなく、一部上場の大手にも問題はあり
とくにIT、外食などの新興企業に目立つという。


就活する側も、いまや労働法の基礎知識が必要で
採用後もおかしいと感じたら、専門家などに相談しよう・・・
と懸念を示す。


「貧すれば鈍する」ではないが、社会が殺伐としてくると
ここまで品位の落ちた企業も現れるものなのか・・・


とんでもないブラック企業があるものだ、と思っていると
似たような事件?が判明している。


上記の2番目に該当するような記事である。


熊本市の農水商工局の男性上司二人が直属の部下に
約2年5か月にわたって昼食を計100万円分以上おごらせたり
正座をさせたりする「パワーハラスメント」をしていた。


採用直後の男性職員が公用車を運転した際に道を間違えたことを
きっかけにパワハラならぬ、いじめが始まった。
男性職員が精神的苦痛を理由に病気療養で休職するまで
「お前の仕事の尻拭いをしてやった」などと言い
毎日のようにおごらせていた、という。


「水清ければ魚住まじ」ではないが世の中、清廉な人間や
模範的な企業ばかりでないことは重々承知している。
「清濁あわせ持つ」のがこの人間社会だということもわかる。


しかし・・・
なんという、ていたらくだろうか、と思う。
ここまで人のこころが荒廃するか?
ここまで企業の倫理も失くしたのか?
成熟した大人が、若者世代を堕落させる一因に
なっているように感じ憤りを覚える。


年の瀬に、砂を噛むような殺伐とした思いを感じている。
日々刻々と物事は変化する。
天災は避けられないとしても、人間のこころまで
荒涼と変わってほしくない。


新しい年が少しでも希望に満ちた年度になるよう祈るばかりである。