「悪貨は良貨を駆逐する」

タッパーのふたを開けると麹の甘い匂いが胃ぶくろを刺激する。
関東に住むナビのメンバーが大阪を訪れ「手作りの味噌」を
おみやげに頂いたものである。
お味噌汁だけではもったいない、もろみとして重宝しそうである。
懐かしい香り、しばし亡き母を思い出した。


昨日、『おしゃれさろん』のミニオフ会を大阪新都心で開いた。
(いま大阪駅の新装に伴い多数の高層ビルが完成し新都心として一新されている)
先月、同じサイトである温泉倶楽部の管理人を交えての
ささやかなオフ会を行ったばかりだ。
近頃はオフ会続きである。


こうして価値観を共有できる友と、親しく会話し
お互いの生き方に刺激を受けるなどの交流は、こころ安らぐ。


さろんのメンバーであるCさんとは8月に横浜で、お会いしている。
MさんやNさんは初対面である。
会った瞬間から皆が旧知の仲のように話が弾み、打ち解けていく。
このような心弾む交流ができるのもナビのおかげだなぁと嬉しく思い
人の世も捨てたものではないとホッとする。



一方で最近サイトの中では悪い噂も耳にし、気持ちが萎えていたところである。
新規のプロフィールを覗いても同一人物と思える者が複数の名前を使い、新たにブログを開設したりしている。



またシニアの年齢の女性として登録しているが、ブログの中身は
明らかに30代とおぼしき男性言葉で綴られていたりして、驚く。
いったい何のために?と思うが、それなりの目的があるのだろう。


先日も新聞紙上で『出会い系サイト』より『非出会い系サイト』のほうが
犯罪が増えていることを報じていた。
サイバーポリスの成果なのか、さもありなん!とも思える。
大手のSNSでは、性別や生年月日も無記入になっているところもあるという。



人とひとが触れ合い、心豊かに活きる。また男と女が出会い、親しく交流しそこから恋愛が生まれ各々の責任で人生を成就させることは素晴らしい。
この範囲内では、コミュニティサイトが健全に役割を担っている。
しかし、実態が不明であるがゆえの危うさも潜んでいることも否めない。


英国女王エリザベス1世の財政顧問であったグレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」を引き合いに出すまでもなく、1個の腐ったリンゴが他を腐らすようにこのサイトがそのような印象を与え、品位が落ちることを危惧する。


昨日のオフ会のような、ほのぼのとした交流は
人生を豊かにし実りあるものと感じている。


『君子の交わりは淡きこと水のごとし』 (荘子・山木編)とありたい。