友人が2年ぶりにわが家を訪れた。
久しぶりに会う彼女は、白と黒のストライプのジャケットに
白いパンツ姿のさっそうとしたスタイル。
耳元で揃えた髪が揺れて、相変わらずおしゃれだ。
かつらみたいに髪がフサフサしている。
わたしより5歳も年長なのに、若い。
そして・・・
とても3つのガンを罹患しているとは思えない。
以前拙ブログでも触れたが、彼女は10数年前に
乳がんを患い、温存手術をしている。
術後も何の変調もなく仕事をこなし旅行や、お酒を呑むなど
病気のことなど忘れているようだった・・・
実際、術後の定期検診も行かずに10年以上が経過したあと
「腰が痛く、歩きにくい」ことで受診した。
乳がんの転移がみつかり、あらたに甲状腺がんと
あともうひとつ、ペット検査なるもので骨に関する
初期のがんがみつかった。
最初はまさか!と気持ちの落ち込みもあったようだが
でもいつものようにあっけらかんとして、
「なったものはしようがないわぁ」と平然と受け入れたように見える。
病気に執着しない生き方が苦痛を和らげ延命につながっているのだろうか。
とにかく病気だとは思えない元気さと外見のきれいさである。
只、がんの治療によって医療機関を変えないといけないので
あちこち、金銭的なことも含めて痛いとは、こぼしていた。
彼女も独り身である。
肉体的・精神的、経済的不安は理解できる。
不思議なことに彼女には、抗がん剤などの副作用で吐き気がしたり
髪の気が抜けたりなどがまったくない、という。
医者が首をかしげるほどだ。
声にも張りがある。
病気はしていても元気いっぱいの彼女が私を見て、言う・・・
「また、痩せたぁ?・・・」
彼女のいう「痩せた?」は老けたねぇと同義語であることは知っている。
体重は変わらないのにほおが落ちたりして確かに老けてみえる?・・かも。
仕方がない、どうあがいても年齢には勝てないのだ。
かつて職場にアルバイトに来てくれた彼女が
「あのころは溌剌としていたやん、憧れやったわぁ~」と
今さら言ってくれても、今やしっかり、家で「閉じこもりオバさん」
しているわたしには遠い過去の話である。
でも、でも老けこむにはまだ早いか・・・。
オシャレ度がすっかり抜けているわたしには
彼女の来訪で目が覚めた感がある。
そうだ・・・
楽なパンツスタイルばかりでなくもう少し服装にこだわろう。
あまりに無頓着に成り過ぎていた。
今日は珍しく気分もあらたにスカートをはき
ちょっぴりエレガントさの演出である。
珍しい友の来訪でしっかり刺激を受けた単純なわたしだ。
これから縁あって月に2回ほどわが家に通うことになった。
彼女に刺激を受けつつ、わたしもおしゃれを楽しもう。
病気に負けないで「いま」をしっかり感謝して生きる彼女に
エールを送りたい。
いつまでも元気でいてね。