生徒さんの作品「花の階段」
10月開催の作品展の準備は少しずつ整いつつある。
初めて絵をパソコンで描き始め、初めての作品展への出品である。
いきなり5点と割り当てているから、生徒さんも大変だ。
でも嬉々として乗り越え、この1年を作品作成に集中させ
いま続々と額に収まった完成品が届いている。
贔屓目にみているせいもあるが、いい感じに出来上がっている。
こちらも浮足立ち、嬉しさを隠せない。
絵は、「電彩アート主宰・山田みち子先生」の
著書の中からの模写、「花の階段」である。
階段や壁面に部分的に水彩ソフトの「テクスチャー」を施すのも
初めての経験だ。
M氏は60歳半ばであり、パソコン絵画歴3年になる。
いつも「アリの目線」でモノを観察し、鋭くて繊細な感性の持ち主だ。
パソコンで絵を描くと、最後の仕上げ「印刷」の難関が待っている。
印刷の出来不出来で、大きく作品が違って見える。
パソコンの画面で見るときと、プリンターを通して
アナログで、じかに現れた作品とに乖離があり
がっかりすることが多い。
わたし自身も横浜の出品作で、パソコンの画面と、
印刷したときとの感覚がずれて、もう少しこだわって
印刷をしたら良かったと自省しているところである。
描くのも難しい面もあるけれど、印刷がまた難しい・・・。
M氏も紙に出力した絵と、描いた絵とのギャップに落ち込み
やる気を失くしていた。
「とにかく、インクを使いきるほど、紙が足りなくなるほど
真剣にやって!他に丸投げしたらダメ!」
印刷をこちらに依存しようとする彼に、エラソーに叱咤する(笑)
そして再度、挑戦しているときに、近くに住む小学生と中学生の孫の
「うわぁ~~雨の庭!」
「こっちは春の庭!すごいなぁ、きれいやなぁ~」
本人が思いもしないことでの感嘆にすっかり気を良くし、勇気づけられた。
何気ない子どもの感性に教えられることが多い。
印刷の彩度や明度にこだわり、ときに和紙を使うなど
1点につき5,6枚も印刷をして仕上げ、検証し一番気に入った作品を選んだ。
画像で見るより、額に入った絵のほうがいいのはもちろんだ。
とてもパソコン描いたとは思えない。
わたしなどより、遥かに逞しく素晴らしい心意気である。
日々、未熟なわたしは生徒さんたちに学ぶこと多しである。
まったく、「どちらがセイトがセンセイか」である。
ありがとう。