可愛いっ!!

2歳半になる孫娘かえでの今のキーワードは
「かわいいっ〜!」である。
何を見てもかわいい〜〜♪の連発である。


母の日のプレゼントを携えてやってきた娘と潤平たちは、
わが家へ入るなり、かえでの「かわいい〜」で始まる。


彼女のちょけた三枚目的な行動や、発するオモシロ言葉の
一つひとつに目じりが下がりっぱなしである。
「いったい誰に似たんだろう?」ママと首をかしげる。
むろんわが家系は、貴族のような品のいいルーツであることは
間違いがない・・・。


中庭で遊ばせているとき
隣でひとりでブランコを漕いでいるおにいちゃんを尻目に
背を押してあげているばぁばに「触らんといて〜〜」
・・・。
滑り台の大きな階段を勢いよく上がっていくと
途中で「ムリっ!!」と言い、自分で慎重に降りてくるようになった。
ばぁばも胸をなでおろす。
自分の背丈の倍ほどもある鉄棒にぶら下がり
死にもの狂いでお兄ちゃんに対抗しているやんちゃ姫である。


そんなワンパクいっぱいの彼女もテーブルの上に置き忘れた
ネックレスを目ざとく見つけると
「これ、ばぁばのん?かわいい〜〜♪きれい〜♪」と
目を輝かせ、自分の胸元に持っていき鏡の前に立つことを忘れない。


ふーん、やっぱり女の子だなぁと感心していると・・・
部屋の隅にあったキティちゃんのくずかごから、ゴミを放り出し
かわいいね〜〜と持ち歩く。
ハンカチ、お箸、タオル、袋物「アレ、きれい!」「コレかわいいねぇ」
すべて可愛いの対象物である。


そしてよ〜くしゃべる。
最近、いっきに言葉が増えた彼女は、ひとりで3人分ぐらいの存在感があり
潤平もそんなときがあったなぁと成長の早さを実感する。


ちょっぴりお兄ちゃんになった潤平は、主役の座を完全に妹に譲っている。
喧嘩もするがよく遊んでやっている。
かえではお兄ちゃんが幼稚園から仕入れてくる
ヒワイな言葉(本人はわかっていない)も、大きな声で真似てご機嫌だ。
「そんな言葉、やめなさーいっ」
ママがツノを出してあわててたしなめても、知らん顔。
かえでの師は、み〜んなお兄ちゃんである。
お兄ちゃんの教えてくれることはゼッタイなのだ。
そして彼の靴までちゃんと揃える妹は、しっかり者の
女房みたいにあれこれ兄貴の世話を焼く。


つい先日もママにたっぷり怒られ、大泣きしているお兄ちゃんの
傍に寄るとタオルで顔をなでてやったり、ヨシヨシとばかりに
抱きしめたりしている。
そのおしゃまぶりにママの怒り顔が緩み、潤平は助けられたりもしている。


妹は、なかなかその場の空気を読むのが上手だ。
二人目って案外抜け目がなくてそんな感じかも知れない。
兄と妹のやり取りを見ていて、息子や娘たちの幼いころをだぶらせている。


おしゃまでクチ達者なかえでは、どんな女の子になるのだろう。
キティちゃんやスヌーピーのキャラクターを
可愛い!といつまで持ち歩くのだろうか。
潤平とは違う面白さを感じている。



万博公園のりんご