花のお江戸は・・・

東京へ行ってきた。
今回は研修や仕事などではなく、まったくの遊びである。
2日めに、シニア・ナビのオフ会があるけれど
こちらも遊びだから100%開放気分!
普段、ゆっくりしているくせに、たまには気分転換もいい!
などと浮かれる。


本当は日帰りでも充分なのだが、せっかくの花のお江戸である。
大阪で催されない美術館のハシゴをしたい、かねがね思っていた。
かくして2日間の気ままな旅にした。

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いまや交通手段は新幹線にしろ、航空機にしろ
買い方ひとつにも差があり侮れないものがある。
新幹線パックは、お宿をセットにしたほうが、だんぜんお得だ。
往復の旅券をそのまま買うより宿代を入れたほうが安いなんて
いったいどうなっているの?と思う。
しかし安さのウラには、好きな時間帯を選べないなどの条件もある。


今回は航空の早割りを利用した。
行きは10,000円少々でチケットを買えたが、帰りはそうはいかない。
割引のある時間帯のそれは自宅到着が遅くなり
翌朝、期限付きの仕事を抱えている身にそれは、辛い。


25日の朝、家を出て都心の駅から空港バスを利用する。
その空港バスの停留所に向かう道中いつものスクランブル交差点が、
途中で切れていることに気がついた。
工事中である。


え?いつの間に?
仕方ない、遠回りをして地下道を歩きようやく地上に顔を出した。
早めに家を出たから良かったものの
のんびりしていたら、バスに乗り遅れるところだった。
わたしは自他ともに認める方向音痴だ。
近距離でも慣れない道を通ると迷いそうで、ビビッてしまう。


飛行機は今回JALを利用した。
手続きを済ませ搭乗口に向かうと何と長蛇の列ではないか。
最後尾に並びながら、いったい何があったのか?と驚く。
その列もなかなか進まない。
あちこちで不満を言う人や、間に合わないかも知れないと、
携帯電話で連絡をとる人もいる。
飛行機も長いこと利用しているけれどこんなことは初めてだ。
これほど検査場で待たされるのも珍しい。


順番が近づいてみると、どうやら手荷物検査で
フン詰まりになっているようである。
海外旅行のそれ並みだ。
チェックが一段と厳しくなって手間取っているのか
それともJALの人件費削減で人が減ったのか。
とにかく要領が良くない。
モタモタしている。


クネクネと長いロープを引いたような列からやっと開放されたのは
列に加わってから20分近くも経っている!
こちらでも早く空港に着いたから良かったものの
こんなことで乗り遅れたら、たまらない。
早めに家を出てよかった!と胸をなでる。


1時間ほどでお江戸の羽田に着いた。
なんとこちらは気温が低い。
出るときの大阪の湿って暑いことといったら・・
ジャケットを羽織ったことを飛行機に乗るまで、悔いたが
こちらに着くとこの涼しさはちょうど良い。


さておのぼりさんは、先にどちらへ行こう。
ネットで検索しておいた、花の画家ルドゥーテ「美花選」展を観に行く。
場所は渋谷の東急本店にあるBunkamuraである。


交通もあらかじめ調べておいたとおりに実行する。
まずは、羽田から京急線に乗り品川まで行き、山の手線で渋谷へ。
渋谷に着くと東急百貨店からシャトルバスが出ている。
渋谷、原宿など、若いきれいな人が多いなぁと
「オジさま」のように目を細める。


シャトルバスを利用し本店へ着くと昼の12時少し前である。
家を出てから待ち時間を含め、4時間近くもかかっていて
新幹線と変わらないように感じる。
ふだん静かな生活を送っている、おのぼりさまには
お江戸の地下鉄は複雑でしんどい。
出口をひとつ間違えようものならとんでもないことになる。


お腹が空いた・・・。
館内のおしゃれなレストランでひとりの昼食を摂る。
イタリアンのランチを注文しデザートを平らげるとさっそく会場へ。


絵画展は一人で観るのがいい。
じっくり時間や人を気にしないで見入ることができる。
今回は特別に予定もなく、何時にホテルにチェックインしようが
まったく自由である。
何と至福の時間だろう。
花の画家ルドゥーテ「美花選」展は想像していたとおり
素晴らしく圧巻だった。


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画集を買った。


ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ(1759〜1840)は
フランス革命の混乱の時代を駆け抜けた不世出の植物画家だそうである。
彼は画家としての修行のあとパリへ上京し、
ルイ16世王妃マリー=アントワネットの
蒐集室付き素描家の称号を得る。
フランス革命後、皇帝ナポレオンの妃ジョゼフィーヌなどの庇護のもと
宮廷画家として王侯貴族や上流階級の人々に「バラの画家」と
称えられ、植物画家としての多大な名声を得た、という。


花びらや葉っぱの精緻ともいえる描写のすばらしいこと。
時間を忘れて見入った。
本物を見られる幸運をありがたく思う。


夕方の投宿までにもう1箇所美術館を訪れる予定だったが
道中の緊張でしっかりくたびれてしまった。


もうひとつ関心を惹いたのが六本木で開催されている
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」
===印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション===であるが
こちらは秋ごろに京都でも催される。


よって今日の課題はこれでおしまいにしようと予定変更。
このようなとき、またしても一人は気楽である。


検索してきた通りの地下鉄を利用し、乗り換えしながら
本日の最終目的地のホテルに無事、着いた。


ああ〜やれやれ異国に来たような疲れを感じた。
シャワーを浴びてひと息つくと次の予定へと急ぐ。
シニア・ナビメンバーとの楽しい歓談とお酒が待っている。
花のお江戸の一日はこのように締めくくられた。