久しぶりにカレーを煮込んでみた。
煮込むと言ってもルウを使う簡単なものだ。
子どもたちが小さいころ、「ハウスバーモントカレー」という
甘めのカレーが大好きだったけれど、大人になり辛目を
好むようになると汗をしたらせ、辛口のカレーライスを
ほおばっていたことを思い出す。
カレーライスは庶民の食卓の定番で団欒の象徴にも思える。
最近は、独り暮らしになりカレーライスを作らなくなっている。
夏の暑い時期にたまに欲するけれど、それは外で満たす。
煮込み料理は余ってしまい、何回も同じものを食べる羽目になるから、
シチューやハヤシライスが、たまに食卓に上るぐらいだ。
きのう平日なのだが、わが家に娘たち一行が来ていて賑やかに過ごしたとき
「リンゴむいてぇ~」と、6歳と4歳の孫に何度もリクエストされる。
彼らは不思議と自分の家では食べたがらないのにわが家に来ると
決まって思い出したようにリンゴを催促する。
餌づけされた動物のように、パブロフの犬のようにだ。
順番を待ちかまえて小さい手を差し出し、待っている。
わが家の冷蔵庫は独り暮らしであっても、買い置きしている果物が
全部入りきれない。
キッチンテーブルに盛っていてもあったか過ぎてすぐに痛むから
ザルに入れて、北側の涼しい部屋に置いている。
次々にリンゴのリクエストに応えているうちに冷蔵のストックがなくなった。
6歳に「冷えたリンゴがいいのなら、あの部屋から持ってきて
冷蔵庫にいれておいて!」と頼むと彼は喜び勇んで両手に抱え
任務を遂行する。
夕方ふっと冷凍庫を覗くと、かのリンゴが入っているではないか。
あれまぁ!冷凍庫と冷蔵庫を間違えたらしい。
「ん、もう~なんでやのん~~」ママが怒るけれど仕方ない。
彼はアイスクリームを出し入れするところしか見ていないのだ。
冷凍庫と冷蔵庫の区別がつかないのも無理もない。
ご一行さまが帰ったあと・・・
途中で取りだした、霜やけようのリンゴ3個。
はてどうしたら良いものやら・・・。
ジャムにするにも、もうひとつ自信がない。
第一できるのかしらん?
冷凍しそこないのリンゴの食べ方など知らない。
しようがないから、今晩の料理に使うことにし、カレーにした次第。
セロリの葉っぱや、少し萎れた茎も残っていたので
玉ねぎやじゃがいもなどと煮込み、あのリンゴをすって入れると
昔のバーモントカレーに良く似た甘いカレーができあがった。
潤平が残してくれた「やんちゃなリンゴ」で久しぶりに
カレーライスを食べることになったのだ。
また余るだろうなぁ・・・???