何もできないけれど・・・

娘のところは、昨年から良くないことばかり続いている。
「いまはじっと耐えるしかないわ〜」
娘が嘆くほど予期せぬことが起こっている。


それは、主にムコ殿の身に降りかかってきたことだけれど
夫婦関係や家計にも響いてくる。
仕事のなかでの不運といったらいいのか、昨年それに遭遇し
やっとふたりが立ち直ったと思うと、
今年はリストラに匹敵するほどの給与削減である。
家計も一気に苦しくなっている。


娘は二人の子育てに専念し、まだまだ働く意思はない。
ムコ殿も妻を働かせて窮地を凌ごうとは考えていないようである。
愚痴ってもしかたないから、と夫婦で
家計や生活の無駄を省く努力をしているようだ。
双方の親が近くに住んでいても、安易に頼ったりしない。
頼ってくれても経済的援助の力はない。
あるのは、いかにそれを乗り切るかという生活の知恵だけ・・・。


生きていると、予期せぬことが起きる。
娘夫婦も結婚して以来初めての窮地を迎えているが
まだ多少の余力はあるとみえ、悲観的ではないことが救いでもある。


親の窮地を尻目に、ふたりの幼な子は、屈託なく伸び伸びと育っている。


下の1歳半は絵本に興味を持ち、ばぁばがいくと必ず
お気に入りの絵本「どうぞの椅子」を持ってきて、
ページを繰り、指をさし、可愛い声でばぁばに読んでくれる。
いつも同じ絵本なのがおもしろい。


4歳は幼稚園が始まり、うれしくてたまらない。
走ることやマット運動など得意な彼は、これからの
運動会にむけてのお遊戯なども楽しみでならない様子だ。
走ることは得意なはずなのに、どういうわけかビリが多い。
チョケていて、スタートの合図を聞いていないからだと、ママは悩む。
ともあれ、元気いっぱいに育っているのがいい。


わたしは、娘たちに何もしてやれない。
しかし彼女たちより、少し長く生きているわたしにも
寄り添い、見守り、知恵を貸すことはできる。


「生活のなかの良かった探しをしてごらん!」
いつも娘に言う。


どんなにお金持ちでも、夫が浮気などすると、耐えられない。
子どもが病気だったりすると、どんなに辛いか・・・


幸いにして娘の夫は、人一倍妻思いの、子煩悩である。
二人の子どもは活発で、ばぁばから見て情感あふれる
生き生きとした子どもに育っている。


これほどのしあわせがあるだろうか。
ふたつの大きな宝を持っている。
いまあるしあわせをしっかり感じながら
感謝して日々を送るよう助言する。
娘も心得ているようではある。


これからどのような展開になるのか。
生活の不安が一日も早く解消できることを願うばかりである。


わたしは、親としてなにもできないけれど
ずっと見守っているよ。


季節はずれの寄せ植