意外な落とし穴!

日差しが、まぶしい。
菜の花の匂いや甘い沈丁花の香りは、まさに春爛漫である。
ほかほかとした陽が背に心地良い。



一年中で一番紫外線が多い季節でもある。
真夏なら日焼け止めや、つばのある帽子で完全防御に努めるが、
今の時期、つい油断をしてしまう。


日中の散歩は、顔にひりひり感が残るようになり
またぞろ日焼け対策を考えないといけない。
油断大敵だ。


南国生まれのわたしは、きつい紫外線と射るような日光を
たっぷり浴びて育ったせいか、成人するまで健康的な?肌だった。
その後だんだんと肌質が変わり、今はどちらかというと白い。
吸い取り紙のように影響を受けやすいわが肌には難儀している。
「肌の白いは七難隠す」などは、わたしの場合何の役にも立たない。


太陽に当たるとすぐに赤く、シミになり、しわの原因ともなる。
肌の手入れに、それなりの時間とお金を費やしたのは過去の話で、
いまや退職後のわたしにはエステなど無縁になっている。


けれど・・・
意外にもその無頓着ぶりでひとつ発見したことがある。


もう何年になるだろうか。
「リンパマッサージ」なるものが流行し(今も最前線?)
かづきれいこ」のメイク術や、田中某という
黒いシルクハットをかぶった中年女性が毎日のように
テレビや新聞広告に顔を出していたころである。


同じような時期に、友人が自宅でエステを開業した。
夫との別居に踏み切り、生活の糧としてリンパマッサージの
施術を習得したのだ。
さっそくやってもらうとそれまでのエステと違い
顔面などへの負荷はかなりきつい。


リンパマッサージは、からだや顔に滞るリンパの流れを
良くする手法で、筋肉に指を入れるやり方だからエステを
受ける側は心地よいことばかりではない。
足の筋肉に指を入れられると思わず悲鳴を出すほど痛い。


それでもひと通り終わると施術後は、すっきり爽快で
顔が引き締まり、頑固な肩こりも解消したように感じた。


ところがである・・・
月に一度通っていたエステのあとは1週間後ぐらいに
毎回、顔の中心に紫いろの、痣が出るのだ。
そのエステに通う時期というのは、こちらが重要視している
会議の前に行くことが多い。
そんなとき運悪く大勢の面前にその痣をさらすことになり
「どうしたのか?」と皆に聞かれる始末で、毎回そんなことを繰り返していた。


緊張感からくるストレスなのか、と
原因はさっぱりわからず仕舞いであったが
仕事を辞め、エステに行かなくなると
あれほど現れていた悩みの痣がいつのまにか出なくなっている。
不思議な現象である。


因果関係は100%正しいかどうか、わからない。
たぶんにあの痛いエステの影響ではないのかと今、思う。


きれいになりたい、リンパの通りを良くしたい、と思う欲求は
誰しも望むことであるが、意外なところに落とし穴があったのだ。
何事も過信は良くないし、やり過ぎるといけないことを学んだ。
人の肌質によりけりだろうけれど・・・。