のどかな時代

お昼ごはんのときに、たまたま目にした古いドラマ
瀬戸の花嫁」は、小柳ルミ子の主題曲で始まっている。
この曲がヒットした時代に制作された物語だろうか。
この歌の清純なイメージにぴったりの島の人たちとの
交流は、ほんわかとして気持ちが、あったかくなる。


瀬戸内海の小さな島で寮母をしている主人公の明るいこと。
20歳代ぐらいだろうと思われる彼女の
ゴムマリのように若さあふれる姿態と表情。
一生懸命生き生きと、子どもたちの面倒を見ている。
島の子どもたちは、両親が漁に出ているあいだ学寮と言われる
寮で親と離れて暮らす。


その主人公もかつてはそこの寮生であり、
小さい子どもたちが自分の分身のように、思えてならない。


島の駐在さん、医者、波止場で働く人たちとの
触れ合いを通して自らの人生の指針も固めていく。
物語の詳細はよくわからないが子どもたちが元気いっぱいで、
幼稚園から小学生までの子どもたちと
寮母との触れ合いが、心に響く。


いまどきの若い女性の、こんなに生き生きと、はつらつと
仕事をしている姿を見たことがないように
思えるほど気持ちがいい。
時代だなぁと思う。


みんなが貧しいころ、食べていくのに精いっぱいで
いたわり、慈しみあいしながら暮らさないと
生きていけない時代である。


いまモノが豊かになり、近隣でさえ交流をさけるような
殺伐とした人間関係が常態化している。
多勢のなかの孤独・・・孤立・・・


家族崩壊などはとっくに死語となり、親子間、夫婦間での
ギスギスした関係が、残虐な事件を引き起こしているように
思えてならない。


人間はひとりでは生きていけない。
他と関わりながら成長していく。


特に子育ては、夫婦揃っていても大変な事業である。
大人になるまで親は子どもを守り、慈しむ義務があり
成長過程には、さまざまな問題や悩みにぶつかる。
一つひとつ、問題を切り抜けながら子を育てる。


いまシングルマザーが増えているのか
再婚などでの義理の子どもへの虐待があとを絶たない。


前述のような、島の人たちの心温まる交流など
望むべくもないがせめて近隣の関係は大事にしたい。


「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」
マザー・テレサ