ひと区切り
朝から散歩をかねて墓参りをしてきた。
田舎のひとって足しげく通うのか、どのお墓を見渡しても
草一本生えていず、瑞々しい花がいれてある。
わが実家の墓も特に義姉がよく面倒をみてくれているようで、
きれいに掃除され、すっきりとしている。
兄は定年退職して暇なわりにはそういうことをしない。
庭の草抜きなどもやったことがないバチあたり者である。
帰りは、歩きながら近くの家々の花を愛でる。
変わった草花に出くわすとつい見入ってしまい、他の家の玄関先まで眺めて
時に写真まで撮らせてもらう。
午前中の11時半にお寺で親戚等と会う。
ただ一人残った父の妹にあたる叔母は、料理屋さんでの会席は
疲れる・・・と言い出し急遽2日ほどまえに、宴席をわが家ですることにしたようだ。
両親の葬式などずっと家で執っていたので、先祖元であるわが家のほう
がやっぱり落ち着くのだろう。
お寺さんから帰るとあわてて手伝い、席を整える。
仕出し屋さんの料理と、あと義姉の手作りの煮物やから揚げなどが並ぶ。
けっこう豪華でおいしそう!
それなりに手の込んだ弁当であったが、煮物などは仕出し屋さんの
それより熱々の手作りのほうに皆の手が伸びる。
一年ぶりの縁戚との談笑である。
いま生きていると90歳にならんとする母親の思い出話が尽きると
列席者の近況報告なるものを、問わず語りする。
それぞれに、人生の蹉跌あり、憂いがあり、また慶びごともある。
会う人ごとにドラマをみるように重い。
もう当分会うこともないだろう、と思う。
しかし、今日の法要のあっさりしていたこと・・
7回忌に寄せての話など、なにもなし。
かつて僧侶は愛別離苦に関するありがたい話などしてくれたものだが
なんという手抜きか。
お布施の額が少なかったのだろうか?と帰りの車のなかで、いぶかしんだ。