スマホでつながる違法就労
今、10代の少年少女がスマートフォンなどでつながり、
犯罪に巻き込まれるケースが相次いでおり
なかには傷害や殺人に至る深刻な事件も発生しているという。
ネットでつながった若者が仲間と共に違法な金融業や
風俗営業に就労している実態が明らかになってきたことを
NHK「クローズアップ現代」が昨夜、報じていた。
こうした違法就労のネットワークは、スマートフォンを通じて友達から
その友達へとつながり、ひそかに拡大しているようである。
番組では、なぜ少年少女が危ういネットワークにつながってしまうのか、
その背景にメスを入れていた。
高校中退者が多く、学校や家庭や社会からはじき出された結果
居場所がなくなり、スマホなどからのつながりで、
「食べるために」夜の街で働くことになるのだという。
働こうにも学歴がないと相手にされないからだそうだ。
どこぞの発展途上国を連想してしまう。
日本は、まだ他の国に比べると恵まれていていると思うのだが
少女たちは、それほど食べることにすら、ひっ迫しているのだろうか。
寂しさや現実からの逃避で、言い逃れをしているとしかわたしには思えない。
その少女たちを喰い物にするネットの組織もあるというから恐ろしい。
一度この世界に身を落とすと抜け出すのが容易ではないという。
仲間の裏切ることになり、リンチに遭ったりすることもあるのだそうだ。
「自己責任」と突き放すのではなく社会の問題として
捉えなければいけないと伝え、ワーキングプアや
ハウジングプア(という言葉があるらしい)の犠牲に
なった少女たちをどうしたら救えるかと、問うていた。
身につけ浪費し、ジャンクフードを食べ、その日暮らしのような生活を
している実態をみると暗澹たる気持ちになる。
この子たちの将来はどうなるのだろう、と憂える。
30代、40代になってもこのような生活を続けるつもりなのだろうか。
昼間コンビニなどでアルバイトをして夜間の高校へ通っていたが
友達からの誘いで安易にその世界へと身を投げ出す少女もいた。
ネットが普及したいま、情報の洪水は避けられない。
玉石混交の情報は溺れるほど入ってくる。
かつて18歳未満には、入れないサイトもあったが今や
スマホなどから簡単に情報が入手でき、知らない人と即出会い
「シゴト」と称することに直結する。
そして一旦入り込んでしまうとその裏社会は表に出ない分
情報の収集や実態が掴みにくく、支援が難しいのだそうである。
このようなとき、この子たちの親は何をしているのだろうと思う。
実態を知っているのだろうか。
仮に親自身の生活が困窮していても、一緒に暮していれば
食べることだけは確保できるのではないか。
まだまだ未成年である。
なにか問題が起きると何でも政治や社会のせいにしたがる日本の風潮がある。
しかし、一番身近な家庭のなかに問題の根っこはありそうな気がする。
どんな時代でも、親は身を賭して子どもを守って来た。
精神的、経済的に子どもを守ってやれるのは親しかいない。
しっかり我が子を見つめ、叱咤しながら一人前の人間に
育てることが親の最大の責務だ。
就職支援などの社会資源を尽くし、きちんとした就労につけるよう
援助することも大切だが、世の親たちもかけがえのない我が子を
導いて欲しいと切に願う。