ご冥福を祈ります。
横浜の踏み切りで高齢者の男性を救うために
命を落とされた女性の告別式が今日行われたようである。
突然、かけがえのないわが子を喪った家族の、
ご両親の哀しみはいかばかりか・・・。
作品展出品「潤平とかえでの七五三」
40代のその女性は、日ごろから自己犠牲的精神が強く
困っている人をみかけると、ほおっておけない人だったという。
目の前の踏切に、人が横たわるのをみて
父親の制止を振り切っての行動であり
一瞬のことに、わが身の危険を顧みる暇もなかったのだろう。
あまりにも痛ましい事故で、言葉もないが
傍にいた父親の脳裏にはっきり映る娘の最期の姿が
生涯焼きついて離れないだろうことを想像すると
その無念さも尽きることがないだろう、と思える。
自分が同じことに遭遇したら、どうしただろうか・・・と考えてみた。
飛び込んで救出する勇気があるだろうか。
ない・・・。
とっさに取った女性の行動には頭が下がると
思う一方で、後に残された家族のことを思うと残酷だなぁと
思わずにはおれない。
「逆縁」と言って、昔からわが子に先立たれる悲しみほど
深いものはないと言われる。
そういう意味で親にとっては、娘の行動を誇りに思う気持ちと、
命を大事にしてほしかったという思いがないまぜになり、
辛さが増幅されるのではないだろうか。
震災以降、「人の役に立ちたい」「人を感動させられるひとになりたい」と
いう風潮が濃くなったようにも感じる。
ボランティアで活動する若い世代も増えて来た。
他のために身を挺することは立派であり喜ばしいことだ。
だれにでもできることではない。
日本人の心に棲む「徳を積む」行いは美徳とされており
そのことが、だんだんと薄れているように感じる今の世にあって
今回の女性の取った行動は、重くて、尊い。
何度でも言うが頭が下がる思いだ。
それでも・・・・。と
わたしは思う。
親なら、やはり本音の部分では「自分の命が一番」と考える子どもで
あって欲しいと願うのではないだろうか。
どんなことをしてでも生きていて欲しい、と。
40代女性の勇気を称え、ただただ冥福を祈りばかりだ。
合唱