「光の賛歌 印象派展」を観た
すべての絵画には作者の『思いや想い、はたまた希望や意思』などが描かれ
多くのことを語りかけてくる。
己の生命を賭して描かれた作品には、いずれも凄みを感じ、
心にくいこんでくるようだ。
印象派の絵画には惹かれる。
(1839年- 1899年フランス生まれのイギリス人の画家)は魅力的だ。
このシスレーとは、一昨年某銀行のカレンダーで『モンジュロンのオシュデの庭』を1年間たっぷり楽しんだ。
過去記事で触れています。よろしければご覧ください。
シスレーの16点の作品が公開される展覧会が、現在京都府立博物館で
開催されている。
『光の賛歌・印象派展(パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅)』と
題された展覧会の全出品は73点である。
(モネ 24点、ピサロ 8点、ルノワール 2点、セザンヌ 2点、ターナーなど)
さっそく、行ってきた。
レトロな雰囲気の京都博物館
平日だというのに、ひどい混雑ぶりだった。
シニア世代のグループが特に多く、夫婦連れや家族連れも列をなしていた。
チケット売り場に並んでいると、「団体割引があるから一緒にいかがですか」!と
後ろの女性に声をかけられ、珈琲代が浮いた格好になった^^
モネとシスレーの水辺の風景は、どれも優しく風景画がこんなに
楽しいとは!久しぶりの感を持った。
印象派の画家たちが活躍した19世紀後半は、水辺が生活に潤いをもたらす余暇を過ごす場所としてクローズアップされた時代でもありました。
都市部の近代化にともない、市民のあいだに休日のレジャーが普及すると、アルジャントゥイユやブージヴァルといったパリ近郊のセーヌ川沿いの町や村が、身近な行楽地として人々を惹き付けました。さらに鉄道網の発達も相まって、余暇を楽しむ人々の足は、美しい海水浴場や切り立った断崖、賑わいを見せる港など数多くの魅力的な場所に恵まれたノルマンディ海岸にも向けられました。
都会の喧騒を離れた豊かな自然とともに、レジャー客でにぎわう行楽地の様子は、同時代の市民生活を描き出した印象派の画家たちの創作意欲を掻き立てる格好のテーマとなりました。
本展では、セーヌやノルマンディの「水辺」を舞台に描かれた約80点の作品で、彼らが追い求めた「光の中の風景」に迫ります。
開催趣旨より・・・
ということで、気に入ったシスレーの絵を何点か紹介してみよう。
一部今回の展覧会に登場していない作品もある。
特に好きな作品をネットから借りたから・・・
まずは、シスレーの絵画の特徴(私が好む理由である)を紹介したく、簡潔な説明を購入した画集から転記したい。解説者は三浦篤氏(東京大学教授)。
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シスレーこそは生涯にわたり、セーヌ川と切っても切れない画家であった。
そのシスレーの作品を見ていると面白いことに気づく。
同じ印象派といっても、モネよりもずっと穏やかな様式のシスレーの風景画から感じるのは、まずは自然の息吹そのものである。
セーヌ川とロワン川が合流するサン=マメスの近くを表した《春の小さな草地》では、川辺の小道を散策する女性を早春の光と大気が包み込んでいる。
反映像も含めて水面を大きく描くもモネに対して、シスレーは「空」の面積を大きくとる傾向にあり、空に浮かぶ雲や樹木の枝に大気の動きを感じるので、瑞々しい筆致と相まって、さわやかな風のそよぎを印象づけることになる。ここは、確かに印象派の抒情詩人とも呼ぶべき画家の姿がある。
絵の構図の単調さを破るモチーフとしての必要性もあっただろうが、シスレーの作品をこのような新しい視点からの研究をする余地はまだあるような気がする。
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1880年 春の小さな草地
セーヌ河畔のヴヌーとビィをつなぐ川沿いの小道を描いたシスレーの代表作。
シスレーは、1980年印象派の伝統的な世界である賑やかなパリや郊外の
行楽地に見切りをつけ、フォンテースブローの森近くに移り住み
20年間のあいだこの地で描き続けたと言われる。
この作品は、春の陽光に照らされた爽やかなセーヌ河畔を上流方向から
描いている。
明るいブルーの服を着た少女は画家の娘ジャンヌ、11歳。
セーヌ河岸のヴァルヌーヴ・ラ・ガレンヌ
ヴァルヌーヴ・ラ・ガレンヌの橋
モレ・シュル・ロワン
ポール・マルリの洪水の波止場
マトラの船着き場 モレ・シュル・ロワン
どれも伸びやかに空を大きく取った構図に惹かれる。
空のグラデーションと雲の形・・・そして色彩。
ワクワクする。
シスレーに重きを置いてしまったが、もちろの他の画家の作品も好きだ。
モネの睡蓮
丸い額縁の睡蓮は、初めて観た。
ルノアールの「ブージヴァルのダンス」は、あまりにも有名。
エドゥアール・マネの 「アルジャン・トゥイユ」
画集も買ったし、ゆっくり味わおう♪
余韻に浸っているところである。