薬漬けの子どもたち

どうして、その必要があるのか。
いったいどうして?
憤怒と悲しさを、抑えることができない。




子どもを「薬づけ」にしている現実を
過日、NHKの「クローズアップ現代」が報じていた。
背筋が凍る思いである。


小学校で、落ち着きのない子どもに
教師が、保護者に精神科にかかることを進め
医者は「向精神薬」を投与しているという。


子どもが授業中に歩きまわる、奇声を発するなどの理由から
他の子どもの迷惑になららないよう、
手っとり早く、おとなしくさせる策であるらしい。
「薬を飲ませるとおとなしくなるから」と、ある教師は吐露していた。


確かにクラスのなかで大勢の児童をみるのは大変だ。
ひとりが授業中に奇声を発したり、動き回ったりは
他の子の迷惑にもなるし、進捗できない。
おとなしく授業を受けさせたい気持ちはわかる。


親も納得の上だというが、この薬の投与は
年々低年齢化しており、いまや1〜2歳児にも
精神科医が睡眠薬なども、躊躇なく与えているというではないか!


薬には2面性がある。


最近は、うつ病など薬の投与でずいぶん改善されており
自殺年慮も軽減し、社会復帰もできている人が多い。


反面、大人でも一度薬に頼ると、なかなか抜け出せない危険をはらむ。
しかも「向精神薬」である。


ある子どもは薬の投与で歩けなくなり、話すこともできない。
廃人同様になっていった。
見かねた両親は、オピニオンで専門医をみつけ
薬からの離脱を始めた。
まだ完全ではないが、回復までに8年かかったという。


脳が未発達の子どもにそんな薬を与えていいのか!!
答えは歴然としている。


何も知らない子どもたちは、大人の安易な判断で
脳やからだの組織をどんどん破壊させている。
薬も多種多量になり「薬漬け」にされ、恐ろしい副作用が出ている。


発達障害」や、多動性のある子どもは、かつては親や教師が
また必要に応じてカウンセリングなどで
その子とじっくり向き合い、その遠因を見極め、改善へと導いていた。
今はその余裕がないのだろうか。
すぐに表面的なことだけを抑制しようとする。


ある精神科医が力説していたことが心に残る。
「表面から見える『悪』と思えることは、実は長所である。
「じっくり、親が話を聞いてやるなどすると改善する。」
「だから薬は必要ないことが多い」


このような医者の言葉が一般的であると思いたい。
親も教師も一生懸命、子どもと対峙していることも
特筆しておきたい・・・。



子どもの将来を、どうか見誤らないで欲しい。
じっくり、我が子を抱きしめ、受け止めて欲しい。
薬に頼らないで!と思わずにはおれない。