「褒め上手な人ほどいい顔をしている理由」
「あの人はいい年のとり方をしているなぁ」と思い浮かべてみると
欲が小さいということに気がつくだろう。
欲が強い人と言うのは、いつも不機嫌そうな顔をしているものだ。
自分より豊かな生活を送っている人をみると羨ましい。
家族に大切にされながら幸福に過ごしている人に会うと、悔しい。
自分ができないことを出来る人がいると、憎らしい・・・
だからいつも表情が不機嫌になってしまう。
欲がないということは、いまの生活、いまの自分に満足しているという意味もある。
その満足感が、自分の表情をやわらかく、温かく、ほのぼのとしたものにする。
人はそういう表情に接したとき「彼は、いい年のとり方をしているなぁ」と
思えてくる、と精神科医の斉藤茂太は、エッセイのなかで言っている。
写真家の篠山紀信さんは、風景を撮影するときも、山や海に向かって
「いいよ、いいよ」と語りかけるそうだ。
家族写真を撮るときも、「いい顔している、すてき、すてき」と
言い続け、緊張を和らげ一枚のワンショットを撮る。
そんな篠山氏も「いい年の取り方をしている」と斎藤氏。
人をほめることの大好きな人
人を喜ばせることが好きな人は欲が小さい。
自分のことよりも、まずは人のことを大切に思う人だからだ。
人と自分とを比べて「羨ましい」「悔しい」「憎らしい」などと
思うのは、自分の欲が強すぎるからだ。
そのためにイライラしなければならないというのは
人生に損をしている。
欲が強すぎるために、損をする、そういうことだ・・・と
エッセイのなかで結んでいる。
わたしの周りにも観音様のように穏やかな「いい顔」を
している人がいる。
その人たちは総じて損得関係なしに、人の面倒をみる。
話をきいてあげ、余計なことは口に出さず、
ニコニコと聞き上手に徹している。
そういう人には自然、人が集まり人気がある。
あったかい雰囲気をかもし出している。
いつもそばにいたいなぁと思わせる人である。
その中の一人が言う。
「わたしは金持ちより人持ちでいい」と。
親から備わった伝らしいが説得性がある。
お金ももちろん、魅力だけど「人徳があること」も
もっと素敵に思える。
小欲で気持ちよく生きたい、とわたしも願う。