似てくるのかなぁ

わが家を訪れた客人は、額に入った小さい拙絵を見て
「自画像ですか?」などと聞いてくる。
とんでもない!ただの模写ですよ、とあわてて否定する。




どう間違ってみても、それはない!!
まぁ、かろうじて口元が似ているかなあとは思えてくる。
それと寂しげな表情と。


しかし・・
ずーっと若いころ、このような編みこみの
髪をふんわりと垂らした時期はあった。
その絵のように、顔はふくよかだったが今は、面影すらない。



潤平とかえでの二人を時々、イラスト風にしてみる。
それを見た知人は、「おばぁちゃまに似ているわねぇ」と言ってくれる。
本人に会っていないのに、だ。




そういえば、30代の子育てに忙しいころ
わたしは、人形作りが好きだった。
当時、流行っていた米山京子さんの人形はどれも表情が、
ふんわりとしていて可愛かった。
彼女の本を見ては、型紙をとり、ペチコートからドレスまで
コーデネイトして作ったものだ。


ピアノの上や応接室のソファに座らせていると、よく言われた。
「いやぁ、よく似てる!」
誰に似ているかというと制作者のわたしに、らしい。
そのころのわたしもふんわりと、間の抜けた表情をしていたのだろう。


自分が、描いたり、作ったりするものは
自然と作った本人に似るものだろうか。


小さな絵のことから・・・
久しぶりに人形を作ったころのことを思い出した。
今では遠い過去の話しである。


娘はどういう加減か、やはり手芸が好きで
ミシンを引っ張り出しては手提げ袋や子どもたちの
ズボンやスカートを縫ったりしている。
そして出来あがったそれは、何となくふんわりと
ママらしい雰囲気が出ている。


ひとが手で作るもの
描くもの・・・
それはそのひとの自己表現のひとつだから、似るのだろうか。
面白いなぁ、と思う。