最近、仕様もない失敗をする。
自戒を込めてわが恥をさらそう。
歳のせいにするのは、まだ早い。
大きな声では言えないが、よくお鍋を焦がしているのだ。
子どものころ母は、味噌汁の出しを取りながら、いつも庭先に出て
花を愛でていた。
ときどき、ほうきで庭を掃いたりもしていた。
鍋をガスにかけたままである。
あのころの味噌汁の出しはイリコを使っており、今のように
顆粒状になったものをぱらぱらと入れるだけではないから
けっこう時間を要したものだ。
わたしたち子どもが起きるころになると、湯気の立つ鍋から
イリコの匂いがムンムンしていたものである。
母は、出しが出たころを見計らい、庭先に植えてあるネギやフダンソウなどの
野菜を摘んで台所に戻って来て味噌汁を完了させていた。
むろん、家族のだれかが部屋には居るわけだから、鍋のなかの
水分が減って焦がしそうになっても心配はない。
幼少のころのその記憶のせいか、わたしも時々似たようなことをやる。
そして最近は失敗が多い。
先日は、新じゃがとタケノコや鶏肉などを薄味でコトコト煮込むつもりが
少しのあいだ、キッチンを離れベランダの花を覗いていると、
ほんの少しのつもりが・・・
気がつくと焦げた匂いがしてくるではないか!
せっかくの煮物は、かろうじて食べられたけれどトホホな味だ。
やかんを火にかけたまま、ちょいと新聞に熱中する。
すっかり薬缶のことを忘れ、湯気が充満し、ふきこぼれ、空焚き寸前に
なってしまったことも・・・(--〆)
お昼にごはんを食べようと炊飯器を開けるとご飯が生!
タイマーを入れるのを忘れていたらしい・・・
それで急きょ、冷凍のお餅を焼くことにした。
いつもの6層の無水鍋を使うから簡単においしく焼ける。
焼き芋もこれで作れる貴重な鍋である。
冷凍は焼き上がるのに少し時間がかかるだろうとまたもベランダに出て
花を愛でていると、キッチンから異様な匂いと煙。
ちょっとの時間がすっかり花に夢中になり、お餅のことを忘れていたのだ。
もちろん、食べられたものではない。
揚げものときは、電話や来訪があってもぜったいにその場を離れない
慎重さは持ち合わせているが、煮物などつい気が緩む。
ああ~ボケるにはまだ早い。
時間の感覚が鈍ったのか・・・
慎重にしよ。