みたらし団子の手
娘のところで珍しく、晩ご飯の写真を撮っていると
2歳がおもちゃのカップを持ってきて、撮れという。
カップは直径が5センチほどの小さいもので
直前まで、ばぁばと遊んでいたものだ。
カップをグラスに見立て、蛇口をひねるような格好で、カップを下に置き
「じゃぁ~っ」と声に出し、ジュースかなにか飲料水を注ぐまねをしている。
氷をガラガラっといれる。
どこぞのバーテンダーのような手つきである。
ファミレスのジュースバーでも知っているような手だ。
ゴクゴクと喉をならして、飲み干すさまがなかなか堂に入っている。
「あ~~おいちかった!」
まったく・・・
噺家にでもなれそうだ。
「ばぁばも、どうじょぉ~」
カップに氷とジュースを入れるまねをして差し出す。
今度はばぁばの番だ。
いかにも、おいしそうに飲まないといけない。
うやうやしく押し頂き、2歳と同じようにゴクゴクと喉をならし
「ああ~おいしかった、ごちそうさまぁ」
はぁ~芸当も骨がいるものだ^^
その日の夕餉は、鶏の手羽もとのから揚げを甘く味付けしたものと
れんこんのきんぴら、生ハムとオニオンのサラダだ。
きんぴらは8歳の好物、オニオンサラダは5歳の・・・
ばぁばも久しぶりにかぶりついた。
大根と豚を煮たのも、おいしかったなぁ。
ママは安い材料で、賑やかな食卓を飾るのに慣れている。
2歳が、カップを二つテーブルに並べると、ふっくら丸い手を添えたのでパチリ。
指はカラメルいろでモコモコしている。
まるでみたらし団子のようだ。
あら、みたらし団子の手が増えた。
傍で見ていた5歳がおもしろがって、加わったのだ。
2歳も5歳も、こんがり焼けて似たような指をしている。
真っ黒に日焼けした小さな手が4つ。
ありぁ~2歳のつめ先は、少し垢がたまっているではないか。
なにふりかまわぬ遊び人の手だ。
5歳はちょびっとお姉ちゃんらしく、指先のポーズが決まっている。
ころころ、もっこり、みたらし団子の指をみながら
彼らの将来が安全で平和であるよう願わずにはおれない。