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修羅の棲む家

どなたかのブログで作家のストレスに言及された記事を読んだ。 浅田次郎氏がエッセイのなかで、ホテルで缶詰になり執筆していると 1時間おきにコーヒーと煙草を呑む、といい 作家のストレスは、今も昔も大変なものだと言われている。 そのことから作家のスト…

「神さんがみてはる」佐藤愛子のエッセイから

『中学生の荒廃を日々のニュースで知らされ、日本中の人が心を曇らせている。 そんなとき、文部省が言いだした、持ち物検査や文部大臣の 「人の命の大切さを教える」といった意見は、私にはあまりにも空疎に見える。 人の命を大切さを、ここまで荒廃してきた…

名文を食べる

佐藤愛子のエッセイ「女の背ぼね」のなかで、氏はデパートの 地下食品売り場での、店員とお客さんとの会話を聞いて、フンと鼻をならす。 「ここのシャーベットは大きさといい、酸味といい、和食のデザートに とても合うのよね。フランス料理の時は×屋のアイ…

小説「不毛地帯」と瀬島龍三

先日「不毛地帯」をテレビで放映していた。 山崎豊子原作を映画化したものだ。 ずいぶん前の作品であるが、映画があることは知らなかった。 午後9時や10時には就寝するわたしも眠い目をこすり 珍しく、11時30分終了まで起きていた。 山崎豊子は、周知のと…

村岡花子の生涯と柳原白連

NHK朝の連続ドラマ「花子とアン」を楽しみにしている。 原作は、村岡恵理さんの「アンのゆりかご」 村岡恵理は、花子の孫にあたるらしい。 いつの世も、偉人排出の背景には親の、子へ対する深い愛情と先見性が伺える。 子どもの特性を生かし、小さな芽生…

あの世の話し

作家の佐藤愛子は30年ほど前に北海道の 浦河町と言うところに家を建てた。 そのときから思いもかけない方向に向かうことになったと言う。 何が・・・? その家で超常現象と言われる怪奇な現象が起きて、以来 東京の家に戻っても、旅先のホテルなどでも度々悩…

かわうそ

『指先から煙草が落ちたのは、月曜の夕方だった。 宅次は縁側に腰かけて庭を眺めながら煙草を吸い 妻の厚子は座敷で洗濯ものをたたみながら いつもの話を蒸し返していたときである』 向田邦子の著書「思い出トランプ」のなかに収められている 「かわうそ」の…

人生を深めるための読書

最近、本を読むことが減っている。 これは、いったいどうしたことか。 多忙だった在職時でさえ、月に最低10冊以上は小説や エッセイや専門書など読んでおり、3日に1冊は 完読していた計算になる。 晴れの退職後、しばらく読書三昧の日々が続いたが 最近は、…

「わが子を喰らう、サトゥルヌス」・・・ゴヤ

ご存じゴヤの、観るだに恐ろしいゴヤの絵画。 中野京子著「怖い絵」に挿入されている。 ルーベンスも同じ題材で描いているようだが こちらはもっと迫力がある。 漆黒の闇を背景に、裸の巨人がわが子をむさぼり喰っている。 灰色の髪を振り乱し、身をよじり、…

善人が他人を不幸にする理由

「善人は自分勝手に幸せになれるけれども 周りの人は不幸になることがあるの。 善人は自分に自信があるから困るんですよ。 人の心がわからなくて、自分が善人であることに あぐらをかいているから」 曽野綾子のエッセイ「善人はなぜまわりの人を不幸にするの…

マリー・アントワネットの宮廷画家(ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯)

『わたしはロンドンのキングズ・クロス駅からパリ北駅行きのユーロスターに乗り、一路パリをめざした。3泊4日の小さな旅に胸が躍る。2時間半足らずでパリに着く。20年ぶりのパリだ。めざすはルーヴル美術館とヴェルサイユ宮殿。金曜日は、ルーヴル美術館が夜…

灯火親しむ候

以前、日経新聞に連載されていた、安部龍太郎著「等伯」を 読んでみたくなり、近くの書店に足を運んだ。 安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍した絵師・長谷川信春(等伯)を 主人公に、一心に画業に打ち込んだ生涯を描いた小説である。 [: 万博公園のつわ…

血脈を読み終えて・・・

[:360:left]佐藤愛子著「血脈」上・中・下 3巻を、やっと読み終えた。 1巻600ページ、全1800ページであるが、3週間もかかった・・・。 最近は目の疲労感もあり、ページを繰るのが遅い。 でも早く読み進めたい気持ちが強く、横浜へもカバンに忍ばせていた。 …

一顰一笑(いっぴんいっしょう)

この数年、大正から昭和の初期にかけての著書を読むことが多い。 若いころは新進作家や、似たような世代の軽い読み物を乱読していたが 昨今の改行ばかり多い、スカスカの若い作家のそれなど、 物足りなく感じるようになった。 以前にも触れたが山口瞳、北杜…

金持ちになる男、貧乏になる男

1. 貧乏になる男は「小銭を貯める」ことを考え、 金持ちになる男は「大金を稼ぐ」ことを考える 2. 貧乏になる男は「すぐに金持ちになりたい」と考え、 金持ちになる男は「金持ちにふさわしい人物になろう」と考える 3. 貧乏になる男は「誰とでも気安くつきあ…

芥川賞作家 円城塔博士・人生は塞翁が馬か

遂にポスドクから芥川賞を掌中にした作家が出た。 悲観的に記すわけではないが、ホスドクから受賞者が 出現したことを喜び、彼を称賛すべきなのかもしれない。 しかし物理学者を目差して15年間ほどを苦闘してきた同氏には、 これほどの悲喜劇はないのではな…

抱腹絶倒の悲喜劇の中国.

昨年8月某日のブログに北京に居住する近藤大介氏(講談社)の記事を転載して大きな笑いを誘った。 今回は同氏の新刊本を「宮崎正弘氏」が書評しているものを 孫引きながら、紹介したい。 近藤大介氏著『「中国模式」の衝撃』平凡社新書) 題名通り本書は「衝…

『毛沢東の私生活』―李志綏(り・しすい)

『 車内の阿鼻叫喚は凄まじい。怒鳴り合いの会話、携帯電話での大声、 イヤフォンをしないでゲーム。隣でラーメンをズルズルすする人。 まるで闘鶏場にいるようですが、さて、一番の驚きは何か。 中国人は車窓の外を見ないのです。あの感性は、なにに由来す…

『宦官(かんがん)』

浅田次郎 原作『蒼穹の昴』がNHKで放映されている。 わたしは、原作も読んでいないし、ドラマも最初の一回を観ただけで、 あとは観ていない。 けれど、最初の宦官(かんがん)の描写が恐ろしく、仰天した。 宦官(かんがん)について、まったく知らなかった。…

パール・バックの「大地」

この作品を読んだのは、いつごろだったか。 とにかく迫力ある描写で、ご飯を食べるのもわすれるほど 熱中したことは、覚えている。 パール・バックの「大地」についてN紙の あるコラムのなかで瀬戸内寂聴が触れていた。 瀬戸内寂聴は小学4年生ぐらいに読ん…

本を読む愉しみ

『序の舞』(1936) 上村松園 (1875-1949) 東京芸術大学所蔵 子どものころから本を読むことが好きだった。 アンデルセンや文学全集から小説に至るまで、暇さえあると読みふけっていた。 社会人になってからも、小説や専門書の類にまで読書に没頭し、 活字の虫…